第93話 義兄逝く<9月30日>
夜遅くの電話。
義兄が逝ったという。
こんな時、不思議と思い出すのは良い面ばかり。
寡黙で優しかった義兄。
爽やかな
長月の夜
亥の刻(夜9時)に
義兄は静かに
死にたまうなり
真夜中に
義兄は逝きたり
他人(ひと)はみな
明々と灯を
ともしていたり
苦しむことなく逝ったという。
せめてもの慰めである。
義兄、90歳。
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