1.文章の体裁について
1-1)改行ってなんだろう。
さて、きほんの「き」。なにからお話しようかと悩みましたが、文章の体裁。その中でもわかりやすい改行についてお話します。といっても、あくまでこれはそういう考え方もあるよ、くらいに流し聞いてくださいね。
さて。皆さん、改行ってどういう時に使いますか?
一文が終わった後。台詞が終わった後。端末の表示幅に合わせて見やすいように文章の途中で。
色々なものがあると思います。この理由の中で気を付けて頂きたいのが最後、「端末の表示幅」です。
たとえばタブレット。例えばスマートフォン。こういう携帯端末を利用していると、幅に合わせて改行した方が見栄えがいいと感じるかもしれません。
ですが、ちょっと待って下さい。その携帯端末、みんな同じ幅でしょうか?
同じ人もいます。けれど、違う人もいます。そういう時に、端末に合わせて改行してしまうのは、人によってはリズムが崩れたりしてしまうと思います。だから、ちょっと考えてみましょう。
たとえば、台詞。
「明日十九時、履歴書はさっき書いてたのその
ままでいい。判子も持ってこいよ」
端末の表示関係でこういう風に改行したとしますね。自然にこう読める人はいいと思いますが、表示幅が広い人にとってはちょっと首をかしげるものです。
漫画を思い浮かべてください。漫画の台詞枠。吹き出し、と呼ばれるものですね。
あの吹き出しの中に、丸が二つくっついているものって見かけたことありませんか? 絵で表現で来たらわかりやすいんですが……伝わるかな。
たとえば改行してしまうと、吹き出しの丸一個の中にあるんじゃなくて、改行箇所で吹き出し一個分次に飛んでしまう、ってイメージわかりますか?
改行って、見やすさだけでなくて意味があります。言葉の途中で改行してしまうと、意味が突然切れてしまうように感じるものです。
でもこれって、悪いことばかりじゃないですよ。携帯端末のスクショでしたら、文字を改行して見目を優先することもできますし、逆に意図して改行でリズムを崩すこともできる。だからこれは絶対じゃないですけれど、表示の仕方が人によって違う、ことを覚えて改行するのも中々便利だと思います。
先程の台詞でしたら、
「明日十九時、履歴書はさっき書いてたのそのままでいい。判子も持ってこいよ」
この方が一息に伝えた間があります。それと改行って、WEB形式だと時間経過を伝えやすかったり、目が滑るのを止めるための手段の一つだったりすることもありますね。
漫画で言うならあんまり改行してしまうとコマやページが移動したり、舞台が変わったり……そういう効果もあります。なにも書いていなくて行を変えるだけなのに、面白いですね。
こちらの談話室では、会話を意識して意図して空行を入れています。話題の途中で、少し間を持ってもらうためですね。
しかし小説の本編では、私自身が紙媒体の小説が好きなのでそのままそちらの作法に合わせています。こういうのも好みですね。一文ごと改行する人もいれば、私が書いているように一段落ごと改行する人もいます。またこの談話室の形式と同じように、話題毎空行を小説で混ぜる人、または台詞が埋没しないように台詞の前後だけ空行を混ぜる人など様々です。
改行って、使い方を考えると結構面白いですよ。紙で印刷するならあまり改行しすぎるのは好まれないことが多いですが、WEBですとそのスクロールの時間経過を利用して多くの空行を使うケースもあります。
改行は、読みやすさのためのもの。そしてWEB媒体では演出の一つとしても使われやすいものです。
基本的なルールは調べると簡単に出てきますので、改行ってどういうものだろう、自分はどうしようかな? と考えてもらえたらなと思ってお話させていただきました。
しっくりくる書き方を見つけられると幸いです。まあ、どんなものであれ書き上げやすい形を見つけてください。修正が簡単なのも、小説の強みですしね。
文章ってとても気安いものです。さあ、試してみましょう!
(2016/12/20)
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