進捗08:発表、大吉和奈の場合
和奈「それでは、ITJLG大学、新名研究室の大吉和奈が、
『ベイズ確率に基づく衣服の嗜好判別方式の提案』というタイトルで
発表させていただきます。
近年、インターネットでの衣服の販売・購入が盛んに行われています。
しかし、ユーザの嗜好に合わせた衣服推薦は実際のビジュアルに合わせてみないと分からないと言った、問題点があります。
そこで当研究では、実際にユーザの全身写真を登録し、画像認識で有名人との類似度を算出し、
その有名人にあっている服装を推薦します。
また、流行なども考慮するため、ボーダー、袖の長さ、襟の有り無しなど、服の特徴を細分化したデータを作成し、
ベイズ確率を用いて、流行の中からユーザに対し合いそうな特徴を算出し、その値に最も近い服を推薦すると言った流れになります。」
……………………
和奈「……という予備実験の結果、この手法の妥当性が示すことができました。以上をまとめとし、発表を終わります。」
司会者「はい、ありがとうございました。それではご質問のある方はいらっしゃいますか?」
チラホラと手が挙がる。
司会者が指した人のところに、マイクを持った人が走っていく。
質問者「●×大学の、城田です。大変興味深い発表をありがとうございます。質問なのですが、何故ベイズ確率を使おうと考えたのでしょうか?」
和奈「はい、実際ユーザに合う服のパーツを確率で出す場合、確率が同様に確からしくないためです。」
質問者「そこで確率を使う意味があるのでしょうか?」
和奈「そ、それは……」
質問者「実際、有名人の服のパーツとの類似度で、パーツを決定したほうが良いと思うのですが、いかがでしょうか?」
和奈「えっと……その……」
華「…………。失礼」
司会者「はい、どうぞ」
華「共著者のITJLG大学の新名です。実際、ユーザにあった服を推薦するのだけでしたら、城田先生のご意見が正しいのですが、今回は流行している服をも取り入れようと考えているので、確率を利用しました。」
質問者「ほう?」
華「服の流行は、例えば『ストライプ』と言った、部分部分で流行る事が多く、それらの特徴を抽出し、その中からどのデザインが合うかを集合知から確率を用いて計算しています。」
質問者「……なるほど、ありがとうございます」
司会者「他にございますでしょうか?」
………………
司会者「では、お時間となりましたので質疑応答を終了とさせていただきます。ありがとうございました。」
………………………
………………
………
和奈「………………ぐは~……ダメダメでした~……」
華「いや、最初にしてはよく頑張ったよ」
和奈「助けてくれてありがとうございます」
華「まあ、今度は私の助け無しで頑張ってくれ。さあ、徳島の発表が始まるぞ。」
………………………
………………
………
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