大自然飢えぇぇぇ!8 小屋作り

 村に戻ると、河原から丘に登ってすぐの所のところの草原に家を作ることにした。

 ここなら河原との行き来も便利だ。

 僕は草原に直径三メートル位の円を小枝で描く。

 その線は小屋の壁の位置を示す設計図だ。

 そして、日の差し込む方を入り口とした。

 

「僕が引いたこの線の上に枝を積み上げていってくれ。ここからここまでは出入り口なので枝は積まないでくれな」

「わかったにゃー!」

 

 にゃん娘たちは、円に沿って枝を絡ませて積み上げる。

 初めて体験する作業のせいか、喜々として作業をしている。

 積み方に雑なとこが有ると、月夜が僕に変わって夕焼けと天色に積み方を教えてくれたので特にトラブルも無く積み上がった。

 すぐに高さ一メートル半ぐらいまで積み上がり、C字型の壁が積み上がった。

 

「よし、壁は出来上がった。じゃあ、ここからは屋根を作っていく。内側から押さえながら段々と積み上げる円を小さくしていってくれ。あと、今まで枝を置かなかった入り口にもこれから枝を積んでくれな」


「わかった!」


 僕と夕焼けが中から押さえ、外の月夜と天色が天井の枝を積む。

 段々と壁の直径を絞り屋根とした。

 一時間ぐらいで殆どの木の枝を使い切って、木の枝のかまくらが完成した。

 

「よし、完成だ! 雨が降っても、もう濡れる心配は無いぞ」

「す、すげー!」

「雨にぬれないなんて、すごいにゃ!」

 

 早速中に入ってみる。

 すると……。

 壁の所々から、外からの光が漏れて入って来てしまっていた。

 

「こりゃ、風除けにはなるけど、雨避けにはならないな」

「風除けも枝ですとかなり心もとないですし、雨避けも穴をちゃんと塞がないとダメですね」

 

 俺は慌ててにゃん娘達に指示を出す。

 雨が降り出すまであまり時間は無い。

 急いで壁の穴を塞ぐことにする。

 

「すまん。まだ完成じゃ無かった。壁の穴を塞ぐために、草原に生えている草をむしり取って枝の隙間に詰め込んでくれ」

「わかったにゃ!」

 

 にゃん娘たちは丘の上に生えている草をむしって来ると、それを壁の隙間に中と外から詰め込む。

 三十分ぐらいで作業は終わった。

 中に入ってみると、今度は入り口以外何処からも光が差す事は無い。

 そのせいで昼間なのにかなり薄暗かったけど、これなら多少の雨漏りはしてもびしょぬれになる事は無い。

 念のために小屋の上に藁束の様な物も何重にも覆い載せて完全防御だ。

 かなり雑な縄文式の竪穴式住居みたいな見た目の小屋が出来上がった。

 構想と建設に一日も掛かってない割にはいい出来だと思う。

 

「よし出来上がりだ。みんなありがとう!」

「どういたしましてなのにゃ」

「今日から雨が降った日はここで寝るぞー」

「本当にここの中にいると雨に濡れないのかにゃ?」

「大丈夫。今日から雨の日でもぐっすり眠れるぞ」

「王様凄いにゃ。さすが王様にゃ」

「王様天才だな」

「王様にしては良く出来ました」

 

 大絶賛の嵐。

 鼻が高いぜ!

 

「てへへへ!」

 

 大絶賛の嵐で思わず顔の皮がだらしなく緩んでしまう。


 *

 

 その日、日が落ちると雨が降り始めた。

 今夜は小屋の中で過ごす事にした。

 これで雨に濡れる事から解放される。

 そう思った僕の考えが甘かったと思い知らされるのはその日の夜の事だった。

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