時間よ止まれ

夜になると

明日をむかえるのが怖くなる


今日も何もできなかった

なまった身体が動いてくれなかった

ほかのみんなは一所懸命に働いて

どんどん先へ行ってしまう

僕はひとりで取り残される

そうして無意味に

ただ歳を重ねるのだ


時間が止まってしまえばいいのに

そうすれば置いていかれることもないのに

けれど、僕がどんなに願っても

時間はその歩みをけっして止めはしない


僕のような

のろまに生まれてしまったものには

時計の針がきざむ音のひとつひとつが

とてつもなく重い

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る