場面場面で、実に様々なことを考えさせられます。だからこそ、この戦前・戦後くらい(勝手な推測です)の「やや古びた日本」の雰囲気に呑まれる、という部分は大きいでしょう。神々への信仰とか、日本の伝統的(悪く言えば土俗的)な考え方、それらの間にすっと現れてくるのが、まさに『愛』という本能的な事柄(信仰や伝統とは真逆にあるもの)であり、文体が古いのに読みやすいということもあって、なかなかに衝撃的です。
鬼の祖母を持つ女の話です。凄くよかったです!圧倒的な描写に心を奪われました。心情表現もグッド! 彼女の心に寄り添うように、きちんと掴んでいたと思います。きっと筆者様は色々な物語を書かれているのでは、と思いました。この話、長編でもできそうですね!次の話に期待して、星3つ送らせて頂きます。
夏のある日の光景から、ミステリアスな展開となり、不気味なムードがただよってきました。
祖母と二人暮らししていた「私」は、祖母の死後、家を出ることを決める。死後に明らかになった、祖母の、「私」の、恐ろしい秘密。「私」が、訪ねてきた男と会話しているだけの物語なのに。読後、こんなにも絶望を感じたのは初めてです。