見方を変える話

 おつかれさまでした。

 いつか「くびのながいとりのほね」が見つかりますように。

 それにしても目げき者が全員おさない子(七才以下)ですか。もし子供にしか見えないのならあきらめるしかありませんが、できるかぎりがんばってください。

 なんとかなって子供と同じ目線になって、発見できたら楽しいですね。

 私は骨が少し怖いです。いつも見ている動物の姿と、骨だけの姿が違いすぎてぞっとします。とくにマンボウなんて魚っぽくないで怖いです。


 でも、あの話は好きです。本当は骨なのに、和解するために生きていた頃の姿であらわれた話。うそをついてくれたやさしさが印象に残っていますが、どこで聞いたのか忘れました。



 私はおかしなものが見えてしまいますが、あなたはバカにしないで楽しんでくれます。そうです。あなただから話したいはなしがあります。


 私は一時期、柱が木に見えていました。公園の登り棒が大きな木に変わっていたときは驚いて終わったのですが、本来ならカーブミラーや信号機のあるところに木が生えていたところで異変だと気付きました。そして、その木から、すすり泣く声が聞こえてきます。はじめは声だけです。やがてはなやかな着物を着た女の子が見えるようになりました。


 この木が幻覚だから、女の子だって実際にはいません。だからスルーしました。しかし、見えているということは縁が結ばれたということで、話さなくても感情が伝わってきます。

 ここで待っているのに迎えに来ない失望です。

 「だれも来てくれない」と泣き暮れる姿をみかねて近づくと、木からちくちくしたものが落下します。しゃがみこむ女の子の足元には、ちくちくしたものが転がっています。まるで近づけさせないように。

 

 じゃあなんで見えるようになったんだろう。意味がわからないですよ。そう思っていると、後ろからやってきた男の人が私の脇を通って女の子に話しかけました。「一人にさせてごめんね」「ずっと待たせていたね」「今度こそ一緒に帰ろう」優しい言葉がけに反応して、女の子は立ち上がりました。

 結婚するの?聞き間違えでないと、女の子はそう言いました。男の人がしないよと否定すると、こころなしか安心して差し出された手をとりました。そのあとまぶしくなって、消えてしまいました。

 その男の人が何者で女の子とどういった関係なのかわからないままでしたが、悪い人ではないと思います。

 それから、当然ながら、女の子もあの木も見ていません。


 それから私は、別の心配事を思い出しました。

 私には霊感のある友人がいて、道に迷ったおばあさんにつきまとわれて困っていました。そのおばあさんは幽霊です。なぜかというと、何回もすれちがうのに、友人の前に現れるのです。まるで話しかけられるのを待っているかのように。

 「おうちに帰りたい」と困っているのですが、そのおばあさんの家なんて知りません。友人がなんとか聞き出そうとしてもうまくいきません。

 とりあえず交番まで連れて行こうとするのですが、途中で消えてしまいます。友人なりにおばあさんについて調べましたが、ここ最近町で葬儀はとりおこなわれていません。だからこのような推測をたてました。

 おばあさんは故郷に帰ってきた。でも町並みが変わって我が家がわからないのだろう。

 おうちに帰りたい。でも幽霊だから無視されて誰もむかえにきてくれません。想像すると寂しくなります。

 ふと思うのです。事故でとつぜん命を落として自分が死んでいる事実に気づかなかったら?体が痛いのに素通りされたら?頭をぶつけて脳の機能が故障たら?帰れないのは悲しいです。

 だからおばあさんを助けたいです。でもどうすればいいかわかりません。

 おばあさんの話を聞いたのは、女の子を見かけたずっと前です。だから長い時間をさまよっていることになります。

 アドバイスお願いします。返事を待っています。



▼月●日

                             とく名希望

ほね?を探すあなた

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どこかで起きていたらしい 永若オソカ @na0ga50waca

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