普通は覚悟を決めて辞めるって言うんです

定期的に

「もう辞める」

これを言うヤママネ


まあ私を含めてパートさん

「もう辞めたいねー」

軽く会話の中で言うことはあります


でもヤママネの「辞めたい」は

本当に、もうマネージャーは無理だから

本当に辞める

そう言うんです


今までの店長に

「辞めたい」と訴えるたびに

店長はなだめて、続けるように説得していたそう


パートさんといざこざがあって

パートさんが辞めることになっても

必ずヤママネが引きとめられていたのは


ヤママネが店でパートの立場から

マネージャーになった最初の人達の1人だったから

店が認めて格上げしたので

その人が辞めたら

その時の店長の能力不足というか

マイナス評価がついちゃうとか

それで、辞めさせられなかったそうで


バカみたいな話です


けれどイケさんが店長や本部から時々来るエリアマネージャーにも

ヤママネのことを訴え続けて

社員のスケさんの証言もあって

本部の偉い人がとうとう

「今度辞めたいと言ったら止めなくていいから」

そんなお達しが


お達しを出すこと自体オカシナ話


そうそう

そんな話が出る前に1回マネージャーを辞めるところまでいったんです

新米店長の時でした

「マネージャーを辞めて、普通のパートに戻してください」

そう言ったら

「人事異動が決まった後に言われても困るから

また今度にして」

そう言われて

引き下がったそうです


新米店長自身も異動が決まっていたため

めんどくさかったんでしょう


で、店長がそう言ったから

続けることにしたヤママネ

新しくきた店長によっては、泣き落としが通じますから


その後

ハタさんは

「次、辞めるって言ったら私も付き添ってでも辞めさせ行く!」

なんて言ってたんです


そうしたら

他店のヤママネと仲のいい人か

(仲がいい人いるんですよ)

うちの店の別の部門のパートさんか

誰かが

「次に辞めるって言ったら、本当に辞めなくちゃいけなくなるよ」

親切に教えてあげた人がいたらしく


それ以降

ヤママネがうっかりでも

「辞めたい」

これだけは言わなくなりました


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