レコーディング(記録)
記録は力
以前養護学校に勤めていた時、「記録は力」という言葉を当時の校長先生から教えてもらいました。簡潔でなかなかいい言葉だと思います。
今までやってきた教え方を振り返ったり参考にしたりするために、記録をとるとよい。という意味で、その校長先生は言っていたのだと思います。
そして、これは、教育職の仕事だけでなく、いろいろなことに言えると思います。
「~と日記に書いておこう」とよく言いますが、これはなかなか味わい深いし、役に立つフレーズだと思います。
例えばちょっと前に、「いつまでもデブと思うなよ」という本がベストセラーになりましたが、あれは、「レコーディングダイエット」というダイエットの方法が書いてありました。食べたものとそのカロリーなどを記録していく方法が紹介されていて、なかなか説得力のある本でした。
怒りに対応するのにも記録することは非常に有効です。
記録する過程で、自分の感情を分析したり、自分の感情を自分で認めたりすることも同時に行われている面があります。
まずは記録してみることが大切だと思います。
どこに記録するか
「どこに記録するか」ということも大切な問題です。
「ノートを用意してそれに書いておく」「日記帳に書く」「wordに、『日記』というファイルを作りそれに書いていく」「mixiの日記に書く」「facebookに書く」「Googleドキュメントに書く」等々いろいろなやり方が考えられます。
厳密に言えば、それぞれのやり方に一長一短ありますが、どれでも大きな不都合はありません。
自分の場合についてのみ、少しだけ書きます。
私の場合は、時代遅れかもしれませんが、mixiの日記に書いています。
mixiの日記は、標準の公開設定を非公開にして、そのまま設定を変えないで作成すれば、人に見られないで、自分だけのために書くことができるし、友人などに見てもらいたい記事だけ、個別に公開することもできます。
過去に書いたものを見直すのにも便利です。左側にありカレンダーをクリックすれば、見たい時期のものを簡単に見ることができます。また、タイトルに「怒り」という言葉を入れておけば(月315円払ってプレミアム会員になっている場合)、「怒り」という言葉で検索すると、怒りについて書いた記事だけずらっと出てきます。
また、クラウドを利用するので、どのパソコンや携帯電話からでも書き込めます。情報の保存に関しても、ノートのようになくしてしまったり、パソコンのハードディスクに入っている場合のように、パソコンが壊れてアクセスできなくなることもありません。
このようにmixiの日記にはいろいろと便利なところがあるので私は愛用していますが、もちろん他人に無理に薦めるつもりはありません。
今の時代、facebookを使うのが一番一般的かもしれません。facebookでも、「自分のみ」という設定にしておけば自分だけが見るための記事を書くことができます。
もちろん、手書きが好きな人はノートや手帳などがいいでしょう。
どのように記録するか
どんなことを記録するのか、自分の例で、具体的に見ていきます。
いきなりちゃんとした詳しいのを書こうとせず、とりあえず1行でもいいから書いて、気が向いたらだんだんと書き加えていくようにしています。
このようにステップ・バイ・ステップでだんだんと書き足していくにはデジタルの方が向いています。紙の場合は、後で書き足す可能性がある場合にどの程度空白をあけておくかが難しい問題になります。
起きた出来事やその時に自分の思ったことなどを淡々と書いてきます。「チキショー、あいつが悪い」等、書いている時に思いついたことは必ずしも書く必要はありません。
書いてもいいのですが、後で見直す時に、「どうも感情的になっていて嫌だなあ」と思って結局消してしまうことが多くなりがちです。
それでは、具体例を挙げます。
第1段階 時間・場所・出来事・感情等のうちのいくつかを記録。
例:昨日スナックで、自分が入れた歌を勝手に歌う人がいたのでむかついた。
くだらない例で恐縮です。本当は、「学校の教員時代、生徒指導で生徒がわけのわからないことばかり言うのでむかついた」とか、「教員同士で意見が対立し、自分のわがままな意見をどうしても通そうとする人がいてむかついた」といった例の方が面白いかもしれません。でも、状況や内容の説明などが長くなってしまい「記録のとり方の例を示す」という趣旨とは違った方向に行ってしまいそうなので、こういう例にしました。
この章に書いてあることは、もちろん自分にとって難しい本格的な課題について実践できれば、それが一番いいのですが、そんなに大したことがない日常生活のちょっとしたことについて行うのでも効果があります。
そんなに大したことでもないことの方が客観的に考えられてうまく行きやすい場合もあるし、それでも自分のものの見方・思考の流れを記録し分析して見直すことはできます。
記録のとり方の話に戻りますが、上記の例は、記録のとり方の第1段階としてはこれでOKです。ちゃんと場所と時間と出来事とその時の感情が入っています。
欲を言えば、「むかついた」だけでは、どの程度怒っているのかよくわからないし、それ以外でももっと詳しく書いた方がいいのですが、あまりにもちゃんと書こうとすると、結局面倒くさいから何もやらなくなってしまいます。
これだけでも、何もやらないよりはかなりいいと思います。でも、次から後の段階もやった方がもっと効果があります。
第2段階 第1段階で書いた、時間・場所・出来事・感情についての表現をより正確で詳しいものに直す。
例:昨日の10時ごろ、スナック「おしゃれ猫(仮称)」で、自分がデンモクで入れたAKBの「会いたかった」という歌を、酔山酔太郎(仮称)さんが、勝手に歌い出した。
それに対して、私は、イライラしていた。
第一段階だけでもそれなりに効果はありますが、気が向いたら第2段階、第3段階もやった方がより効果的です。
スナックの名前や歌の曲名・相手の名前などがつけ加わり、少し詳しくなりました。
前回は、「むかついた」だったのを「イライラしていた」に変えました。「あの時の感情は何と呼ぶのが一番正確だろうか」と考えて、「イライラしていた」の方がいいかなあと思ったからです。
第3段階 その時の自分や相手の状況や相手について知っていることなどを付け加えます。
例:昨日の10時ごろ、スナック「おしゃれ猫」で、自分がデンモクで入れたAKBの「会いたかった」という歌を、酔山酔太郎さんが、勝手に歌い出した。
それに対して、私は、イライラしていた。
酔山さんは50歳くらいで独身だ。仕事はマンションの管理をやっているらしい。その時はかなり酔っぱらっていたらしく、やたら陽気に歌っていた。AKBが好きらしく、「会いたかった」という歌がかかるとついつい歌いたくなるのかもしれない。
「一緒に歌ってもいいですか」などということを言わず、いきなり歌い出すので自分はイライラしたのだろう。
私のイライラしている様子を見て、アルバイトの女の子は少し気をつかっている様子だった。
自分が周りから見てもイライラしている様子だったであろう。ということや、その結果、アルバイトの女の子が気を使っている様子だったことなどがつけ加わりました。
また、相手の言動のどのようなところにイライラしたのか、自分が相手にどうして欲しかったのか、ということも加わりました。
また、酔山さんのプロフィールについても、思い出せたので書きました。
このように記録することで、自分の行動や自分の置かれていた状況、怒りを感じた相手がどんな人なのかを見直すことができます。
少し相手のことについての推測も入っていますが、ある程度は正しそうな事実が書いてあります。後で見直せば、何かの役に立つかもしれません。
また、書くことで事実関係や自分の感情が整理できます。
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