第76話 のんきな海君

楓は、魔王に顔を掴まれながら逃げ出したドロップを見送った。


「これで、本気を出すことが出来るね...」


楓は、自身の体の魔力を爆発させる。周囲の空気が変わり顔を掴んでいた魔王は思わず手をはなしその防風に吹き飛ばされる。


「本気だと?」

「そうだよ、ドロップさんを守りながら戦うのは、大変だからね」

「戯言を…」

「やってみたらわかるよ!!」


楓がそう言うと、土煙をたてながら姿をくらます。かと思うと...

魔王の前に突如姿を現し、拳を叩きつける。


「がはっ!!」


魔王の腹部にその拳は命中して、体はくの字に...そして。


「まだ!!」


楓は、拳を引っ込めてさらに逆の手の拳を突き出す。その攻撃は、魔王にしっかりと命中。楓はその後も連続で拳を突き出す。楓の拳は、自身のステータスに頼った素人パンチだったが、圧倒的なステータスを持つ楓の拳は魔王にダメージを与えるには十分な威力を持っている。


「ぐあああっ!!」


魔王は、対応する暇もなく攻撃をくらい続ける。


「くらえええええええええ!!」


そして楓は、渾身の力を込めて止めの一撃を放つ。


「ごオアっ!!」


楓の拳は、魔王の顔面にめり込むようにしてクリティカルヒットし、そのまま魔王は、地面を抉り取りながら飛んでいった。


「やった!!ざまぁ見やがれ!!」


楓は、魔王が無様に吹き飛ぶ姿を見て喜びの声を上げたのであった...





楓が、大魔王サタンをボコボコにしていた中、海はというと...


「到着だぜ!!うぇ~い!!」


のんきに泉狩りを行っていた。


海の現在いる場所は、「飛行島ポコタ」カレビ帝国より、北西に進んだ上空にある島だ。

当たり前のことだが、通常の人間は飛行できないのでこの飛行島ポコタにはたどり着けないが、飛行スキルを保有している海にとっては造作もないことだった。


「泉!泉!泉は何処だい♪」


海は愉快で不快なメロディーを口づさ見ながら、歩みを進めていく。


飛行島ポコタは、古代文明の遺産がそのまま空に浮いた島だ。外見は岩の塊の上に木がぐさぐさと刺さっている。

海は、そんな未知の島に期待を寄せながら、地面をかける。その速度は疾風、自分の前に現れる木をなぎ倒しながら走っている。



海が、古代遺産を破壊しながら進むこと数時間...


「お前止まれ!!」


耳にキンとくるような喧しいアニメ声が、海に投げかけられる。


「アザードサイクロン!!」


海は、酸の竜巻を声のした方向に放った。


「えっ!!ぎゃあああああああああ!!」


会話(暴力)で解決するキチ〇い鈴木海。


海は、何事もなかったように走り続けた。


そしてついに...


「泉いいいいいいいいいいいいい!!」


海は、まるで自分の恋人に再開したかのように叫びながら泉に向かう。


その泉は、海が森で発見したのと同じく美しものだった。


海は、早速泉に手を突っ込み...


「収納!!」


と言って泉をカラカラの窪みに変えた。


その悪魔のような所業をだれも止めることは出来ない。


海は、早速「鑑定の書」を開き泉の効果を見る。


潜在能力解放の泉・・・自身の潜在能力を解放する。又、飲めば飲むほどレベルの上限を増やす。


「うおおおおおおおおおおおお!!やったぜ!!これでステータスが上がるううう!!」


海は、ひとしきり喜んだあと、早速潜在能力解放の泉を飲むことにした。


「グビ、グビ、グビ...ぷはっ!!まだだ!!グビ、グビ、グビ……」


飲めば飲むほどレベル上限が増えると書いてあったので、海は腹が痛くなるまで潜在能力解放の泉を飲み続けた。


そして...


「よし!!この島をモンスターごとぶっ壊して、一気にレベルアップだ!!」


海は物騒なことを呟いた。


しかし、誰も止めるものはいない...


「行くぞ!!サイクロン!!」


海は、魔剣グラムからの魔力供給を利用して有りっ丈の力で地面に向かって竜巻を放つ...。


島は、恐ろしいほどの轟音を立てて崩れていったのであった...。


「ふぅう!!楽しいぃぃい!!」


海が、バラバラになった古代遺跡を見て楽しんでいると、向かってくる飛行物体が見えた。


やっと海の蛮行を止めるものが現れたようだ。


「そこのお前!!」


海のもとに恐ろしい速度で飛んできたそいつは人間ではなかった。

赤色の鱗、鋭い牙爪、トカゲの様な尻尾、二つの大きな角。海の目の前に現れたのは、20メートル越えの大きな赤いドラゴンだった。


「経験値キタアあああ!!」


海は、のこのことやってきた経験値に歓喜する。ドラゴンが喋ったことなんて海にとっては些細なこと。

そして、そのドラゴンが伝説のドラゴン、エンシェントドラゴンであることも、海にとっては些細なことだ。


「アザあああああああああああドサイクロン!!」


海は、酸の竜巻を放つ。

しかし、その竜巻はいつもの倍以上の大きさになっていた。海自身もこれには、驚きを隠せなかった。


「グギャああああああああ!!」


エンシェントドラゴンは、その大きな大きな竜巻に巻き込まれて呆気なく溶けていったのであった。


「やったぜ!!」


海は、早速自身のステータスを確認することにする。


鈴木 海

レベル100→300億


種族「超越者」


ステータス

MP  60→∞

筋力  200→2億

知力  300→30億

防御力 160→16億

器用さ 200→20億

俊敏  350→35億

魅力  100→100


スキル

「飛行」「状態異常無効」


魔法

「ウインド」「メガウインド」「サイクロン」「ライトニングノヴァ」


称号

「森の精霊王を倒したもの」「ゴリラの虐殺者」「ドラゴンスレイヤー」「神殺し」「魔王の友」「泉の侵略者」「戦神」「デストロイヤー」「竜人殺し」「悪魔殺し」


海はこのステータスを見て...。


「俺つぇぇぇええええええええ!!」


と叫ぶのだった。

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