この妖しく魅惑的な短編集は、ときに見てはいけないものを見てしまったような背徳感を、ときに文学と哲学で彩られた不埒の渦に沈む快感を齎してくれる。
特筆すべきは、唯一無二のセンスをもって描かれる、現象に対する機微(場面で起こっていることに付与される文字列以上の含み)で、映像制作さながらのシーン構成力を高次にアウトプットする文章表現に圧倒され続けている。
改めて、この妖しく魅惑的な短編集は、人間の灰を高度な叡智と技術で圧縮して造ったダイヤモンドに喩えてもいいだろうか、それとも吸い寄せられるように魅入ってしまう呪具のたぐいか、あるいは奇書、いっそ禁書そのものか。もうSAN値ないなってめろめろ。