この小説に書かれている主人公は俺だ

この小説がとてもよく出来ているとか面白いとかジョークがとても笑えるとかそんな事は良いんだ、このレビューと設定された感想において重要じゃない。
この主人公は俺だ、間違いない。
過去から未来まで生きた俺の同胞、有り得た俺に似た存在。
パラレルワールドに住むパラレルの俺だ。

このゲーマーである事に誇り持ちつつ自虐を行い、
日陰者を名乗り、
どうしようもなく脳髄の1番奥までゲームに犯され切った捻くれた正直者。
どうしようもなく俺だ。
俺であり、同胞であり、名も知らぬ親友であり戦友であり、
脳の血管がブチ切れそうなぐらい大っ嫌いなライバルで、けちょんけちょんに叩きのめして踏みにじってきた哀れな獲物で、
鏡写しの様な存在だ。

産まれた時からゲームに狂い、
ゲームだけが脳みそに残り、
人生を振り返ってもゲームが楽しかったとしか言えず、
それらに誇りと恥を感じて斜に構え、
気狂いを自認し他認し、認めて欲しいのに否定して欲しい気難し屋。
どう見ても殺したい程嫌いで抱き締めたい程愛おしい俺の鏡写しだ。

そりゃ細部は違うしやってきたゲームも違うし未来も違うし年数も世界も違う、でもこのゲームに狂った頭のおかしさは俺だ。

今まで色んなゲームやら小説やらあれこれ見てきたがこれ程までに共感したのは初めてだ、頭がおかしくなりそうだ。

今Evolutionを読んでいる、気持ちがよく分かる。
一回犬になってドッグランを走りたかったし、猫になってキャットタワーを使ってみたかったし、ハムスターになって無意味に回し車を回してみたかった。
あまりに羨ましくて、知りたくて、とりあえずドッグフードを食べる所から始めたのだが…美味しくなかった、寄り添えそうにもなかった。
あの時の絶望感と切望感、きっとこの主人公なら分かってくれるだろう…なんとまぁ、羨ましい事か!!

ああ、頼むから変わって欲しい、ゲームに狂って死んだ彼の親友に、ゲームにケチをつけながらやり続けてる愛すべき未来の馬鹿共に、何より脳みそを機械にしようとしてる同胞に、変わって欲しい、ずっと脳みそを機械にしてみたかったんだ!電脳化やAI化も!!俺にそれやらせろ!低評価とかそんな事いいから!やらせろ!どこで売ってるんだよそれ!やらせろよォ!
やれないゲームのレビューとか悔しすぎるし羨ましすぎる!しかも語り手が俺だぞ!?クソッまじでイライラしてきた、なんで俺はそこに居ないんだ、初めて早死するであろう虚弱な自分にムカついてる。
あぁ!ゲームがやりたい!!!

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