第133回『設計事務所』→落選
「艦長、船首に異常を検知しました!」
「どうした? 何があった?」
「さ、酸です! どうやらここは酸の海です!」
俺達の乗る巡視船は数々の修羅場をくぐり抜けて来た。そしてまた新たな試練が。
「この航海の目的は一体何なんですかっ!?」
苛立つ乗組員を納得させるのは大変だ。ここは本当の事を告げるべきだろう。
「船底にある秘密の事務所の扉を開けさせるためと聞いている」
ざわつき出す乗組員達。逆効果だっただろうか?
「俺も噂を耳にしたことがある」
「なんでも進水式以降は決して開かぬらしい」
「いや、ある国では海賊船を横付けにして四つの贈り物をしたら開いたそうだ」
「扉が開くと、全員緑色の制服を着なければならないって話じゃないか」
「蛍光色の制服なんて嫌だ」
「でも扉が開くと、どんな船にでも変形できるんだろ?」
「俺はイージス艦がいいな」
「やっぱ原子力潜水艦だろ?」
「島風……」
苦難を乗り越えると万能船になって変形することができる。その可能性を確認することで、俺達は再び団結を手に入れた。
「艦長! 今度は岩礁です!」
見ると進む先はもの凄く狭い海峡のようだ。
「さあ、チームワークで乗り切るぞ!」
「アイアイサー!!」
終着港はまだまだ遠い。
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