女の子が愛の告白をしないと出られない部屋

「お、お前これぐらいならできるだろ」

「むり」

「嘘でもいうだけでいいんだからさあ。早く出ようぜ、こんなとこ」

「絶対無理! あんたなんか嫌いなんだから!」

「そこまで言うか。なんでだよ」

「いつもふざけてるし、告白された自慢いっつもしてくるし、かわいい子見たらデレデレしてるし、私が渡す前から『今年も義理チョコありがとう』とか言うし、『お前と結婚する奴は大変だろうなあ』とか言うし……本当に嫌い!」

「そんなに嫌われていただなんて。仕方ないな。今から好きにさせてみせるよ」

「…そういうところも、キライ……」

 すでに扉は開いていたが、二人はずっと部屋の中にいた。

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