エピローグ

……気がつくと、其処は大きな木の木陰でした。


私の膝に二匹の猫が寝ています。


縞々猫と白猫です。


きっとあの


ああ、強い意志で彼らを連れて来たのはいいけれど、どうしましょう。


私の家はもうないのです。


二匹は安心しきったように寝ています。


このまま一緒に絶えるしかないのでしょうか。


けれど、あの世界にいるよりはいいと思えたから……。






突然、私の前が翳りました。


「まぁ、可愛らしいお嬢さんですこと。」


顔をあげると、其処には女王陛下に良く似た、優しげな女性が立っていました。


「おうちは何処かしら?」


「……家など、もうありません。」


目を合わせることが出来ません。


「そう、では、うちにいらっしゃいな。」


思わず、顔を上げました。


優しい笑顔が私たちを包みます。






……そう、その方こそ、貴女様のお母様、王妃様で御座いました。


私たちは運命を感じました。


あのときの女王陛下の最後の声が何かを暗示しているようでしたから。


これが、私の経験した物語で御座います。


いかがで御座いましたでしょうか?





~本編終焉~

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