惨劇の始まり
私は数居る『アリス』のひとりでした。
幼い『アリス』、大人の『アリス』、男の子の『アリス』、たくさんの『アリス』。
幼い『アリス』たちは帰りたくて泣いています。
発狂する『アリス』、放心する『アリス』。
惨劇はこれから…。
トランプ兵がわらわらやってきました。
ひとりひとり同じ質問をします。
「アリスゲームに参加なさいますか?」
『アリスゲーム』
それは、アリスの物語を自分なりに作り上げること。
しかし、最後まで作り上げることが許されるのはただひとり。
私の番はまだ来ない。
『惨劇』がはじまりました。
参加を断った『アリス』はその場で殺されてゆきます。
それにおののき、嫌々参加表明する『アリス』たち。
そのまま、他の部屋に連れていかれました。
私の隣に男の子の『アリス』がいます。
無表情だけれど、震えているのがわかります。
私は無意識に彼を抱きしめました。
しかし、それはつかの間でした。
トランプ兵が目の前に…。
離れると彼に聞きます。
「アリスゲームに参加なさいますか?」
震える声で「はい…。」と。
彼もまた、連れていかれます。
私を淋しそうに振り返りながら…。
気が付くと、周りには拒否した『アリス』たちの亡骸のみ。
私は最後の『アリス』なようです。
トランプ兵は問います。
「アリスゲームに参加なさいますか?」
心にある思惑を込めて…。
「はい。」と。
私も連れていかれます。
さぁ、物語のはじまりです…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます