第9話

 絶望覚醒したジャラテクをどうすればよいのか、多世界宇宙のみんなが考えた。ジャラテクは多世界宇宙の脅威だ。少年に何を与えれば、暴食爪を収めるのかを考えた。

「どけ」

 『財宝わきいずる泉』をジャラテク一人に与えようとした。ジャラテクはそれを無視した。

「どけ」

 ジャラテクは食性宇宙の神との戦いへ。


 食性宇宙の神はいった。

「無数の富の集まるこの宇宙の何が不満だ。このわしに神殺しが来るなど考えておらん。わしは宇宙の外から来るものにしか備えてはおらんわ」

 ジャラテクは時空を無限に圧縮して斬る『無限の極み』で神に一撃を加えた。神には効かない。ジャラテクは、無限を二重に圧縮した『二重の一撃』で一撃を加えた。ジャラテクは生まれ育った宇宙の神を殺した。


 神を殺したと思ったら、平凡な創造神の系譜に名を連ねるものたちいっせいに姿を現した。

「神を殺しただけか。神を殺すなら、新世界を創造する準備もしておけ。なさけないやつだ。その程度の神殺しか」

 平凡な創造神たちの声が聞こえた。

 絶望していたジャラテクは、さらにつづく試練に心が灰になるようだった。

「我々、すべてが最高の創造神を探し、守っている」

 ジャラテクは、ひょっとしたらあるかもしれない自分のつくった宇宙を夢見て、願いごとでつくられた宇宙へ宇宙ワープした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る