想い出話

——もう 幾年前の話


頬に 瞼に 口唇に そっと

指を這わせた

冷たくて 冷たくて

心の奥まで 染みいる程で

私の瞳を 凍らせてしまった


——まるで 夢の中の出来事みたいで


青空に消えてゆく煙を

ただ 見つめていた

煙草の煙に 似ているなと思いながら

ただ ぼんやりと


——目が醒めれば きっと いつもと同じ筈


留守番電話の 伝言は

耳に馴染んだ あの人の声が入っていて

暖かくて 優しくて

話しがしたくなった けど

でも


——もう 夢の中でしか 逢えない

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