酒場にて

 男はカウンターのグラスを飲み干すと僕に言った。


「……きみの彼女への思いはよくわかった。だが、私も引きさがるつもりはないよ」


「なら、どうする?」


「きみと私、どちらが彼女にふさわしい男か、勝負で決めようじゃないか」


「何の勝負だ?」


「きみと私が戦うんだ。勝負といえば一つしかあるまい」


 男は紙を一枚僕に渡した。なるほど。僕はすべてを理解した。


「……よかろう。それでは、いざ!」



 トントントントン——。



 紙相撲は朝まで続いた。

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