タイミング

 筋骨隆々の大柄な男は、剣士の少年を呼び止めた。


「よお、峠で会って以来だな」


「あなたは宿屋の……」


 男は身の丈ほどもある斧を、軽々と振り回すと言った。


「あの時は宿屋の使いの振りをしていたが、見ての通り、俺は戦士なのさ。あんたには借りがある。もし助けが必要だってんなら、力を貸してやってもいいぜ?」


 斧使いの申し出を聞くと、少年は言いにくそうに答えた。


「すみません。今、魔王倒してきたとこなんで、また次の機会に……」

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