たしかに聞いたことがある。一体どこの誰が、いや、どこの「どいつ」がそんな呼び名を与えたのかはわからない。
けれど、その液体を「聖水」なんていう呼び名があること、どこかで聞いてしまった記憶がある。
けれど、その「聖水」をどんなに集めたって、そこで「聖剣」が作られるわけではない!
主人公・佐藤の通う学校は偏差値の高い進学校。しかしそこのクラスメートであるA君は、何を思ったか自作の「聖剣」をクラスに持ち込んで振り回すという暴挙を!
まさに一触即発! 古来より、様々な漫画やゲームの中で、「聖剣」とはただの斬撃ではなく、「遠くにいる敵にまでダメージが与えられる機能」なんかも持っていることは夢い。
……いや、そんなところだけ再現できなくていい!!!
むしろ、ダメージの他に「毒」や「混乱」の状態異常も確実に付与しそうな勢いも。
そんな大迷惑な行動を取ってしまったA君と、そのきっかけを作ってしまった佐藤。
この「どのタイミングで聖剣の力が破裂するかわからない」という完全な臨界点ギリギリの緊張感。場面を想像しただけで冷や汗な出そうな緊張感が、とにかく笑いを誘ってくれます。
そして判明する事実。やっぱり「紙一重」って言葉はあるんだなと。
大昔に新宿駅の前で見た上裸におむつの偉丈夫は、手の中で少し重そうで不思議な色をしたコンビニ袋をくるくると回していた。
西郷隆盛の右手には犬がいて、アルティメット・アルティメット(最強の中の最強)と呼ばれたドンフライの鼻の下には豊かなヒゲがあった。
いずれも最強。
だが最強にも外れ値がある。
彼はその意味で秀才であった。
彼の工夫には何人も道を開けた。
同時に彼は天才であった。
わずか得た天啓からその形を覚えた。
だが、彼自身は最強では無かった。
「捨てろ」と言われて己を通す胆は無かった。
天は二物を与えず。
だから、新宿の彼は総理大臣にも成れず、故にダブルソードもあり得ないのだ。