寂しくて、とても美しいお話です。作品の中に流れる「音」と季節がシンクロし、それに伴う生命の起承転結が胸を打ちます。静かなリズムが芽吹きを予感させる「冬」、自立への期待を込めた「春」、熱を帯びたアラームが鳴り響く「夏」、そして静かな安息へと流れ下る黄昏の「秋」――
人は年月を重ねて生きていくものですが、その道のりは決して平坦ではなく、そして節目には四季のような移り変わりがあるのだという事実に気付いた時。たどり着くべき先をどれか一つ選べるのであれば、私もやはりこの作品の主人公のように秋がいいなと思うのです。寂しくて長い旅路になるのなら、せめて月に照らされていたいと願うのです。
あなたは秋に何を望みますか? 季節が通り過ぎる前に、ぜひご一読ください。