自作の短編を読ませたうえで、作者自身が問題点を一つずつ挙げていく。
この取り組み自体がまず素晴らしいのですが、驚いたのは、指摘の一つひとつが、そのまま他の書き手にも使えることでした。
恐怖を感じている人物を描くなら、なぜ一人称のほうがいいのか。
脇役の見せ場が、なぜ主役の怖さを食ってしまうのか。グロを使うなら、なぜ被害者と加害者の関係性が必要なのか。「ダメだった」で終わらず、どれも理由まで言葉にされています。
最後に、作者自身が書きたい恐怖を「信じていた世界が崩れていく感覚」と言い切っているのも印象的でした。自分の作品を見直すときに、何度も読み返したくなる評論です。
自分で書いた小説を、自分で徹底的にダメ出しする!
そんな大胆な試みが、実に面白い創作論です。
まずホラー短編を読ませ、その後で作者自身が問題点を分析するという構成が秀逸。
文体の乱れ、キャラクターの描き方、恐怖の演出など、具体的な指摘には思わず納得してしまいます。
しかも、容赦ないツッコミの中にユーモアがあり、楽しく読み進められるのも魅力です。
何より素敵なのは、厳しい批評の根底に、自分が生み出した物語への愛情があること。
失敗作で終わらせず、次の創作につなげようとする真摯な姿勢に、書き手なら共感するところがあるはずです。
小説を書く人にも、読む人にもおすすめしたい、ユニークな創作論です!