華道を題材にしながら本作が描いているのは花ではなく師弟の不器用な愛情とすれ違いです。花言葉や伝統的な解釈をなぞるのではなく、一輪一輪に蓮司自身の痛みや反発心を映し出していく構成が印象的でした。そして終盤、追放された理由が才能への嫉妬だったと明かされる場面は切なくも温かく長篠の歪な愛情に胸を打たれます。互いに本音を語れないまま花へ想いを託してきた二人だからこそ最後のやり取りが鮮やかに心へ残る作品です。