お話は主人公の語りで進む。つまり、一人の女性の考えがつらつらと書かれているだけだ。それがとても心地好い。人は多かれ少なかれ、主人公と同じような心持ちになったことがあるのではないか。しかし大多数の人は「面倒だから」「自分がされたら嫌だから」等の理由をつけて、それを心の奥底に閉じ込めている。ただ閉じ込めているだけ。存在はしている。「ねえ、あるんでしょ?」と、両の目で覗き込まれたような薄ら寒い感覚になった。何かの拍子に枷や箍が外れたりしたら、きっと――快感を味わえるだろう。