毒杯を飲んだ司祭の蘇生、血の涙を流す聖女像、封印された部屋に現れる聖遺物。
大聖堂で次々に起きる奇跡に、主人公のリリーが向けるのは魔法でも聖剣でもなく、帳簿です。
工事費の内訳、納品記録、予算の特別項目、検査報告書の受付時刻。
ファンタジーの聖堂で、経理の目線がそのまま推理の武器になる。この発想がとにかく新鮮でした。
「帳簿は嘘をつきません」と言った直後に、「書く人間はつく」と自分で付け足す。
この一言に、リリーという人物も、この物語の姿勢も詰まっています。
五話で一つの事件がきれいに閉じるので、一気に読めました。