写真を愛する気持ちと、写真を通して認められたい気持ち。その境目が分からなくなる苦しさが、一人の男の独白から伝わってきます。自分の弱さを見つめる言葉にも、捨てきれない自負がにじむ。その揺れに引き込まれました。写真が一枚も見えないのに、写真にすがる心は生々しく感じられます。何かを作り、それを誰かに見てもらいたいと思ったことのある人に、読んでほしい一編です。