いたって普通の中学一年生だった主人公。
仲のいい友だちもいて、部活もそこそこ。
ところが、そんな彼女の学校生活は、二年生に進級したと同時に一変する。
彼女は、己の意思とはまったく関係なく、転校生「山羊磯唄」の「お世話係」になった。
山羊磯さんは「こんな」だから、特別扱いしてあげるべきだとまわりは言う。
けれど、それをするのはまわりの誰でもなく、主人公の「私」だ。
もちろん報酬などない。
友だちとも疎遠になった。
「私」の立場が自分だったら? わが子だったら?
読者の心を、怒りとも悲しみともつかない感情が襲う。
ひりひりとした痛みを伴いつつ、淡々と進む物語に引き込まれた。
主人公の心の動きから目が離せなかった。
山羊磯さんからも。