朔が報酬の安さをきちんと指摘するところで、まず好きになりました。人を助けるにも商売の筋がある。そのうえで、困っている相手を放っておけない人なのが会話から伝わります。怪異の姿だけでなく、土地に積み重なった暮らしまで探っていく過程も面白いです。自分を責める与次に、安易な慰めではなく、確かめた事実を渡す場面が印象に残りました。一尺という術の制約が戦いの緊張感につながり、事件の後まで描く結末にも余韻があります。