最初は、自分の汗が甘い魚の匂いに変わるという異変が不気味でした。けれど、夢を見るたびに潮の匂いや貝殻が現れ、やがて自分の腕を食べる夢にまで進むと、もう身体の内側から何かが変わってしまっている感じがして怖いです。
特にぞっとしたのは、貝塚の手帳に記された「右腕、最も甘いと予想。心臓、最も苦い。脳、最も濃い」という一文。汐里がまだ普通の高校生活を送っている裏で、彼女の身体はすでに食材のように扱われている。その落差が嫌でした。
そして最後の「……私、食べられたい」。誰かに襲われる恐怖だけならまだわかるのに、自分からそう望んでしまうのが怖い。汐里の意思まで変わり始めているのでしょうか。貝塚が何者なのか、魚住キヨや「尼御前」、講がどうつながるのかも気になります。静かに進んでいた異変が、最後に取り返しのつかない方向へ傾いたように感じる第一話でした。