鉄の街ブラスミアの外れに、ぽつんと立つベネット蒸気二輪店。
その代々続く店には、鉄と油の匂いが染みついている。※概要より
とっても素晴らしい短編でした、絶賛です。
KOC2026秋参加作品となります。
スチームパンクの世界を知らない方でも楽しめて、ご存知の方はさらに楽しめる、そんな魅力に溢れた物語。
僕はいわゆるレトロフューチャーであるスチームパンクの世界って好きです。機械が機械として、まるで命を持っている様に生き生きとしている世界。
それは工業製品という均一化した品質とは違い、少しくらい効率が悪くても「それを作った人間の温かさ」が機械から滲み出ている。そんな世界って大好きです。
さて、本作は蒸気二輪店を営む父と娘の物語。
とても仲が良いのに、ある出来事によりどうしても踏み込めない場所がある親子。
特筆すべきこちらの作品の素晴らしい点は、きめ細かな細部に魂が宿っている所だと思います。文体であり、小さな描写であり、微かな心理の動きであり。
それを小さな波が幾重にも重なり揺れる様に、少しずつ、少しずつ、物語を進め気が付けばこの親子へすごく感情移入させられてしまう。
そして最後まで読み切った瞬間、「ああ、なんて素敵な時間だったのだろう……」ときっと感じて頂けるはずです。
強くお勧め致します。
テーマ、文体、表現、ストーリー、キャラ、セリフ、その全てがとても高度に完成されていると思います。少し拝読させて頂いただけで、「これはもうとんでもなく素晴らしいぞ」と思いました。
是非、多くの方に読んで頂きたい作品。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)
スチーム。
高圧力な蒸気。
圧力が高い分、ただの熱湯よりも温度が高い。
化学工場に勤務していると、見かける光景。
夜の工場。
高く、そびえ立つプラント。
水銀灯のまばゆい光の傘。
ゴボゴボゴボと水の流れる音。
ドレンが抜けきった後、
シュ〜っと、
蒸気が、スチームトラップから吹く。
ゆっくりと登る蒸気。
光の傘の外から上がった蒸気が、光の中、白い煙のように見える。
スチーム。
そして、スチームパンク。
なぜ、こんなに魅了されるのだろう。
このお作品。
まさに、『機械』のテーマにピッタリ⚙️!
スチームが主動力な街。
バイクですら、蒸気で動く。
そんな街の蒸気二輪の修理工房を営む、父娘のお話。
う〜ん😓
紹介文にも、あまり書かれてないので、ネタバレは避けたいのですが、サブタイトル『機械の腕と、飛ばなかった父〜』とあるので、ほんの少し。
主人公の少女、シーリア。
彼女は、いつも長い革手袋を右腕にはめている。
彼女の右腕は、機械なのだ。
その理由は、彼女が小さいときに起きたある事故が原因で······
このお話。
機械にまつわるお話では、ありますが、とってもハートフルです🩷✨
やさしく、温かいお話です。
そして、スッゴく、絵が浮かびます。
蒸気機関の音。
シュ〜っと、蒸気の吹き出す音が聞こえます。
ぜひぜひ、お読みくださいませ🤗⭐✨