和歌の名手として知られる若き貴族、藤原貞美。口から出る歌に反し、その腹の中は野心と我欲に満ち満ちた、冷酷なものだった。立身出世の妨げとなるしがらみを容赦もなく切り捨てて、上を狙うその魂胆に、因果はいかに巡るのか。平安京の闇に咲く、ピカレスク物語。