「カレーを作るために自分の足を切り落とす主人公」の物語を想像できますか?
今回紹介する作品は、一見すると本格的なファンタジー小説です。滅びゆく世界と、生贄として捧げられそうになる少女。そこへ現れた主人公・小恋乃都(ここのつ)は「私が世界を救う」と力強く宣言します。
ここまでは王道のカッコいい展開です。しかし、彼女が取った「世界を救う方法」は、まさかの「スパイスカレー作り」でした。
しかも、その材料はただの肉ではありません。彼女は「骨から出汁を取るのがポイント」と言いながら、笑顔で自分の足や腕を切り落とし、鍋へ投入していきます。
この作品の一番の狂気は、血みどろな惨劇を描いているのに、本人のテンションが終始「料理番組のノリ」である点です。痛みに怯えることもなく、「辛くしちゃうよー!」と無邪気に青唐辛子をぶち込む姿には、ぞっとするほどの異常さ(狂気)が漂っています。
生命の危機や体の尊厳といった重い概念が、すべて「美味しいカレーを完成させる」という『食』の理論に上書きされてしまうのです。
恐怖やグロテスクさを超えて、もはや笑ってしまうほどの圧倒的な狂気と「食」の不条理さ。ちょっと普通じゃない物語を読んでみたい人に、ぜひおすすめしたい強烈な一冊です!