第7話 知らんぷり


「江東さーん♪」


「………」



今朝も、江東さんは

ギャル達に囲まれていた。



(……俺には関係ない)



彼氏がいることが分かって、



興味を持つことを

控えようと、


あまり、

見ないように

していた。




「え、これ可愛い〜!!」


「あ……ありがと」



嫌でも、聞こえてくる

大声。



「これレアのヤツじゃない?

ちょうだーい♡」




また……




「……いいよ」



あげちゃうのかよ。



「………」




顔色が、悪い。



(江東さんも、江東さんだ)




助けない。



(彼氏に慰めてもらえんだろ)



俺の出番はない。



「ていうかさ、江東さんて

かわいくね?」



「!」


ついに、


男子が




そのことに気づいた。




「ちょっとー!!!

私達は、

なんなのー!?」


「え、待って?

顔、ちゃんと見せてよ」


「……」



俯いている。

江東さん。



「あげろよ、顔!」


女子が、大声を出す。



「!」



「きゃっ……!」



腕を、



掴まれた。



「やっぱ!!え、

付き合わねぇ!?」


「はぁぁぁー!?

浮気者〜!!!」


「ははっ!冗談だよ」



「あ……っ」



乱暴に、

江東さんを掴んでいた手を、

離す。




(こいつら……)




落ち着け。


転校してきて、

まだ、間もないんだ。



江東さんにとっても、

もう少し、

自分から断れる方が

いいんだから。




「でさー!!!」



「………」


その日も、

それから何日目も、



気になる様子はあったが、




俺は、



知らないふりをした。



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