第一話を読みました。面白かったのでレビューを書かせてもらいます。
冒頭の、二つの光が交わす会話から一気に引き込まれました。神を斬り、世界を賭けた戦いを経験した二人が、最後に望んだのは世界の救済でも勝利でもなく、たった一度の平凡な朝。その意味が物語を読み進めるにつれて少しずつ見えてくる構成が印象的でした。
主人公の白石りのは、規則を守ることに安心を感じる風紀委員。対照的に、幼なじみのケイは校則など気にせず、いつも自由奔放に振る舞っています。毎朝スカート丈や第一ボタンを注意するやり取りは微笑ましく、二人の性格の違いがよく伝わってきました。けれど、りのが本当はケイの「おはよう」を楽しみにしていると分かった瞬間、何気ない会話の見え方が変わります。
特に心に残ったのは、幼いころ、家に帰りたくなかったりのにケイがあんパンを半分分けてくれた思い出です。理由を無理に聞かず、くだらない話をして一緒に過ごす。ケイにとっては何でもない出来事でも、りのにとっては忘れられない救いだった。その温度差が、二人の関係をいっそう愛おしく感じさせます。
だからこそ、何の変哲もない朝が突然終わってしまう展開には胸を締めつけられました。空に浮かぶ黒い球体、音が消えた世界、そして互いに手を伸ばしながら届かない二人。日常の穏やかな描写が丁寧だからこそ、その異変の恐ろしさと喪失感が際立っています。
冒頭で示された二つの光と、最後の朝に起きた出来事がどうつながるのか。そして、世界を越えるほどの戦いを経た二人が、なぜもう一度あの朝を望むのか。切ない友情と壮大な謎が重なり、続きが気になる第一話でした。