王立魔導図書館の「返却課」に配属された新人司書、リゼット。 彼女の仕事は、返却期限を過ぎた魔法の本を回収すること。 雨を降らせ続ける絵本。 英雄の物語を勝手に盛り上げる自伝。 読んだ人を物語の登場人物にしてしまう禁書。 本が返ってこない理由は、いつも本の中にあるとは限らない。 人々の「返せないもの」に耳を傾けながら、リゼットは今日も一冊ずつ、本を返していく。 ――けれど、ある一冊だけは違っていた。