第一話を読みました。面白かったのでレビューを書かせてもらいます。
冒頭でいきなり「相性値、零」と告げられるところから、主人公・朝倉蓮の異世界召喚が普通ではないことを感じさせられる第一話でした。勇者候補として召喚された四人がそれぞれ優れた力を持っている一方で、蓮だけは魔法も戦闘能力もなく、相性値までゼロ。本人も「だいぶ駄目なやつでは」と受け止めているのが妙に現実的で、重くなりすぎない雰囲気も良かったです。
特に印象に残ったのは、四人の勇者候補たちとのやり取りです。凛としたリリア、穏やかそうに見えて現実をしっかり指摘するエステル、淡々と観察するフィオナ、距離感の近いミナと、それぞれ性格が分かりやす描かれていました。短いやり取りだけでも四人の違いが伝わるので、今後このメンバーがどんな関係になっていくのか気になります。
そして一番面白かったのが、訓練場での展開です。蓮には魔力が見えているわけではないのに、四人の魔法がぶつかる原因を感覚的に理解してしまう。ここで「相性ゼロ」が、単なる弱点ではなく別の意味を持っているのではないかと思わせる展開が上手いです。
帰還を望む普通の高校生だった蓮が、最後には「これ、止められるかもしれない」と一歩踏み出す。この瞬間に、彼が戦えないからこそできることが見えてきました。四人の力を自分自身で使うのではなく、つなぎ合わせる存在なのだとしたら、とても面白い設定だと思います。相性ゼロという一見したら最低の結果が、実は何を意味しているのか。続きを読みたくなる第一話でした。