読ませていただきました。
人と話せないわけではなく、むしろ会話も発表も普通にこなせるのに、関係が自分の内側へ踏み込んでくる瞬間になると逃げてしまう王小波の孤独の描き方が印象的でした。
特に、ボイスルームで女の子から「一緒に遊ばない?」と声をかけられた途端に退出してしまう場面と、後半で小娜から気持ちを問われた時に「ごめん」と逃げる場面が重なって見えました。誰かを求めているのに、実際に相手が近づいてくると怖くなってしまう。その矛盾が作品全体を通して一貫しているように感じます。
その一方で、リアルドールには「ただいま」や「今日あったこと」を自然に話せるのも面白かったです。返事をしない、拒絶しない、置いていかない存在だからこそ安心して近づけるという関係が、タイトルの「孤独症」とよく噛み合っていました。
だからこそ最後の「少なくとも、君は僕を置いていかない」に続いて、ずっと返事をしなかった彼女が「私も、君を愛してるよ」と答えるラストにはぞくっとしました。小娜の存在に残された違和感も含めて、どこからが現実で、どこからが彼自身の孤独の作ったものなのか考えたくなる終わり方でした。