第一話を読みました。面白かったのでレビューを書かせてもらいます。
冒頭から「勇者の公開処刑」という重い場面を描きながら、主人公を処刑される勇者ではなく、その遺体を弔う葬送士の少年に置いているのが印象的でした。大勢の人々がアレンを「反逆者」と罵る一方で、少年は英雄か罪人かという評価には興味を示さず、死者として丁寧に扱おうとする。この温度差が作品全体の静かな雰囲気を作っていると思います。
特に良かったのは、アレンの身体に残された無数の傷から、彼が英雄として称えられるまでにどれだけの戦いを経験してきたのかを見せているところです。処刑される姿だけなら「反逆者」として終わってしまいますが、傷ついた手や身体を見たことで、少年が初めてアレンを一人の人間として意識する流れが自然でした。
そして、アレンが最後まで何も語らず、自ら処刑を受け入れたことも気になります。無実を訴えなかった理由は何なのか、本当に魔王軍と通じていたのか、それとも別の事情があるのか。さらに最後の「この日の夜までは。」という一文によって、ここから葬送士の少年とアレンの死がどう繋がっていくのか、一気に先が読みたくなりました。
静かな主人公と、あまりにも騒々しい王都。その対比も魅力的で、第一話としてかなり続きが気になる始まりだと思います。