第一話を読みました。面白かったのでレビューを書かせてもらいます。
「無双する側」ではなく、「無双される側」に転生してしまうという発想が面白い第一話でした。ゲームをプレイしていた時は、帝国兵をただの敵として倒していた主人公が、目を覚ますと自分自身がその雑魚兵になっている。この立場の逆転だけで、ゲームで見えていた世界がまったく違って見えてくるのが印象的です。
特に、転移直後から漂ってくる血や泥の匂い、身体の痛み、遠くから聞こえる戦闘音などによって、「これはゲームではなく、本当に死ぬ世界なんだ」と実感させられるところが良かったです。画面越しなら爽快だった無双攻撃が、自分に向けられると命を奪う恐怖になるという対比も分かりやすく、タイトルにある「死の匂い」と「胃痛の味」にも納得できました。
さらに面白いのは、主人公がゲームの知識を持っているからといって、簡単に無双できるわけではないところです。彼は主人公レオンの強さも、帝国側の厳しさも、そして数年後に起こるバッドエンドまで知っている。つまり目の前の戦場から逃げるだけでは生き残れず、最終的には本来敵同士である人々まで生存させなければならないという、とても厄介な状況になっています。
「自分が生き残るために、全員を生かす」という矛盾した目的が、この物語の大きな魅力になりそうです。雑魚兵という最弱の立場から、知識だけを武器にゲームのシナリオへどう介入していくのか。特に、主人公が最初の戦場をどう切り抜けるのか、続きが気になる第一話でした。