第一話を読みました。面白かったのでレビューを書かせてもらいます。
頭に花が咲いている人が当たり前という世界観が、まず強く印象に残りました。花が咲いていることが「普通」で、咲いていない葉那が周囲から異質な存在として扱われてしまう。その設定だけで、この世界にある「普通」という価値観について考えさせられます。
主人公の叶芽葉那が小学5年生というのも、余計に胸に残りました。まだ11歳なのに、学校で嫌われたり、暴言を吐かれたり、暴力を受けたりしながら毎日を過ごしている。短い文章なのに、「毎日つらい」という言葉の重さが伝わってきます。
そんな葉那にとって救いになっているのが、保崎先生なのが良いですね。先生自身も花が咲いていないため、葉那と同じ側にいる存在なのだと思います。たまに怒るけれど優しいという描写からも、葉那にとって単なる先生ではなく、安心できる大切な人なのだと感じました。
そして「こんな日常って、普通じゃなかったんだな」「幸せって、なんだろな」という言葉が、この物語のテーマをしっかり示しているように思います。花が咲いていることが本当に幸せなのか。花がないから不幸なのか。そもそも「普通」とは誰が決めるものなのか。これから葉那がどんな経験をして、それに気づいていくのかが気になります。
短い導入だからこそ、世界の異様さと葉那の苦しさが分かりやすく伝わってきました。花の有無によって人の価値が決められてしまう世界で、葉那が最後にどんな答えを見つけるのか、続きを読んでみたくなる作品でした。