男は、かつて恐怖と懊悩とに苦しんだ。理性の名のもと、社会が押し付けてくる制度。それに対し、拒絶と抵抗とをさけぶ内なる衝動。師の言葉に一条の光明を見出した彼は、それ以降の歳月を、外部からの圧迫をあくまで撥ねのけるための努力にひたすらに打ち込んだ――。読後に待つのは、感嘆か、呆然か。ひとつの達成を遂げた男の独白。