過去のトラウマから心を閉ざした主人公の冷めた自己防衛と、同じ名字を持つ華やかな「一軍女子」という対極の存在。心理描写の丁寧さが光り、人間関係の痛みをリアルに抱えた視点だからこそ、これから訪れるであろう関わりへの期待と緊張感が強く胸に迫る。静かに、しかし確実に動き出す物語の予兆が見事な良作である。