進化論で有名なダーウィンは「美」の研究にも熱心だったそうで、
彼が着目した代表的な例は、孔雀、およびその羽の系譜であったそうです。
主人公の鬱屈、表向き「嫌だった」とだけ端的に感じているけれど、そこにある「田舎」そのもの、そしてそこにあるべきだった自分を押し込める理不尽への憎悪に似た感情が、美という表現媒体を得てもなお、静かにその存在を主張してやまない。
だからこそ、現れた「彼」に寄せた希望は、確固たる希望であった。
オリジナルおよびリライト版が併せて読める。技巧というものの確かな存在を知る、
贅沢な機会をいただきました。
本作は犀川よう様の自主企画、「リライト!」への参加にあたり、
2024年に執筆された「オリジナル」をリライトされ、そこに質疑応答を重ねた自己研鑽のお手本として読むこともできます。
個人的には、「嵐が丘」や「レベッカ」などがお好きな方は、なお虜になる作品だと思います。