49歳の不良公務員が語る半生は、どこを切っても“普通じゃない”のに、本人は必死で普通を目指してきたというギャップが面白い。
広島まで600kmを自転車で走り抜け、アマレス部で過酷な減量に挑み、老人ホームでは血圧48/32を叩き出す。
小学校勤務では害虫と業務の山に囲まれ、夜は無呼吸症候群と格闘する。
ラノベとゲームへの熱量を抱えたまま、過集中と身体の悲鳴をねじ伏せて四半世紀をサバイブしてきた男の語りは、自虐なのに妙に前向きで、読んでいてクセになる。
人生の“普通”を追い求めた結果が、誰よりも濃い物語になっているのが痛快。