この物語の主人公は、元救命救急のナースで、退職し移動販売をしています。
仕入れ元のスーパーの店主はうるさ型に感じますが、主人公のことを気遣っている様子がうかがえ、また、お客さん達も主人公がやいのやいの言うのを体を気遣ってくれてることと理解していると、気持ちの良い空気が流れています。
ところが、一転救命病棟の現場スイッチが入った主人公から鳥肌が立つほどの緊張感が発せられ、私自身左手首に力が入ってました。
最後に、日常の景色に戻った後について、私は、残心――動作が終わった後も余韻や配慮を心に留め、雑に物事を打ち捨てない姿勢――を感じました。
日常は何気ない出来事の重なりではなく、(当然ながら)そこに命があるということを考えさせられる物語でした。