雨の日、ふらりと立ち寄った薄暗い本屋。そこで手にした一冊の本が、読んでいる「あなた」にまで語りかけてくる――。語り口はくだけた一人称なのに、気づけば背筋がひんやり。何気ない日常から異世界へ滑り落ちる流れが見事で、短い言葉と余白だけで恐怖をじわじわ育てる筆致に唸りました。読者を物語の内側へ引き込む仕掛けも巧み。読み終えたあと、思わず周りの気配を確かめたくなります。短時間でゾクッと味わいたい人、ホラー好き、本屋の空気が好きな人にぜひ。雨の夜にどうぞ。
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