男は彼女の存在を文字に残した。それは、名前をつけることと重なるのだろうか。色々考えることはあっても、自分の言葉がどれも野暮に感じられる作品。行間には潮の香りと波の音が心地よく流れ、読み終わったあとには、みかんの香りがそっと残る。絵ではなく、スケッチ。だからこそ、自分の頭の中で色がつく。