霊峰にて、美しく輝く蝶のような翅をもって空を舞う女人たちを見た男がいるという。その話は宮中に入り、怪異鬼神をこのむ皇帝は霊峰に探索の手をつかわす。見出されたは山中にて泣きむせぶ美女。霊峰の神の眷属たる「蝶天女」であり、故あって、地上に取り残されたのだと。雅な文体と語彙、そしてなんと十二もの「お題」で織られる中華幻想譚の行方は――?
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(130文字)
都に、蝶の翅の生える天女に出会ったという一人の男がやって来ます。 それが、皇帝の耳にまで届き捜索させると本当に天女と名乗る者がいて、人間に驚いて他の姉妹に置いていかれてしまった、と。 そしていずれ皇帝の良き政治に繋がるいうお話です。 蝶天女という存在のイメージがとても魅力的で美しい。
私は作者さまの中華風志怪小説のファンです。綴られる描写は、古より伝承された物語のよう、読んでいると引き込まれます。伝説の蝶天女の美しさに魅せられた人々。もう一度見たい、という願いは叶うのでしょうか。伝説と真実と。読み進めたラストには、衝撃の結末が……!!是非、皆様にもこの感覚を味わっていただきたいと思います。おススメですよ!
古代中国の伝奇物の体裁を纏った擬古文調で、淡々と神秘的な説話が語られて行く内に、すっかり雰囲気に酔い痴れて、絢爛な終幕を予想していた処に、最後、……、アレッ?達者な文章運びに、すっかり飲み込めれた挙げ句のこの落ち。ネタバレになるので詳しくは語れませんが、コロッと落とされるラストに何故か喝采を叫んでしまう、妙にスカッとしたこの読後感よ。率直に言って大好きです、こう云うの。シリアスと笑いの両方を味わえる、実に味わい深く素敵なお話でした!