祖母の家の箪笥から出て来た、紺絣の
小さな着物。背中に赤い糸で星の形が縫い
取られている。
子供の 守り として古くからある御呪い。
背中から 良くないモノ に捕まらない様に
ひと針ひと針、丹精込めて縫うという。
『背守り』は母親が我が子を思って縫って
行くのだが。
それは、祖母の形見と着物を貰って来た
夜からずっと。
静かに恐ろしい。作者ならではの科学と
怪異の共存の物語とは違い、希望や常識は
全くここにはないのだ。
一言でいうなれば。
底が知れない。
まさに作者の新境地と言える、淡々として
曖昧模糊で胡乱なモノ。その一端を掴む
とても秀逸な怪異譚。